大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和42(オ)433 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人津田騰三の上告理由一について。

原審が、被上告人らの火災保険普通保険約款に被保険者と世帯を同じくする家族

の故意によつて生じた損害で、被保険者をして保険金を取得せしめる目的に出たも

のについては填補の責に任じない旨定められていることは、上告人らにおいて明ら

かに争わないので、これを自白したものとみなすべき旨判示していることは、所論

のとおりであるが、右判示部分は、被上告人らの火災保険普通保険約款に判示のよ

うな免責条項がある事実は、上告人らにおいて明らかに争わないから、これを自白

したものとみなすといつているのであつて、右条項が、被上告人らと上告人Aとの

間の保険契約の内容をなすことまで自白したものとみなしているのでないことは、

原判文により明らかであり、一件記録によるも、右原判示には何ら所論の誤りは認

められない。

そして保険契約者が、保険会社の普通保険約款を承認のうえ保険契約を申し込む

旨の文言が記載されている保険契約の申込書を作成して保険契約を締結したときば、

反証のないかぎり、たとい保険契約者が盲目であつて、右約款の内容を告げられず、

これを知らなかつたとしても、なお右約款による意思があつたものと推定すべきも

のであるから、本件において、上告人Aが作成したものであることについて争いが

ない甲第一号証の一ないし四(各火災保険契約の申込書)に被上告人らの火災保険

普通保険約款を承認のうえ火災保険契約を申し込む旨の文言が印刷されている事実

を適法に確定し、右約款の規定は、本件各火災保険契約の内容をなすものであると

した原審の判断は相当である。

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原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

同二について。

原判決挙示の証拠によれば、所論の点に関する原審の認定は首肯することができ

る。所論は、原審が適法にした事実認定、証拠の取捨判断を非難するに帰し、採用

することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

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